「砂の美術館」として今年より3年間に渡って開催される予定のイベントで、そのメインである砂像の為のルーフ施工を担当することになりました。
ルーフは全部で3基。
10×10メートル、10×20メートル、27×25メートル・・・それぞれ大きさも高さも異なる、三者三様の仕様。
立地柄風も強く、また地盤も軟弱な事が予想され、現場入りする前から戦々恐々でしたが、関係各所の協力もあって無事に3基とも仕上げることが出来ました。
(上は最も大きいメインスペース用ルーフの完成写真です。)
上の写真は、3基の中では最も小さい10メートル四方のルーフです。
横幕・雨どいなど細かな仕上げを残して大体の外観が組み上がった状態になります。
ルーフの下にあるのは、砂像製作用の型枠で、中には砂がしっかりと詰まっています。
作業段取りとしては、ルーフやそれを固定するための基礎を施工してから、ルーフの下の作業をすると言うのが一般的な手順なのですが、今回は各所の工期に余裕が無かったため、型枠組み上げ後にルーフを組み立てています。
サイズ的に次に大きいのが、幅20メートル・奥行き10メートルのルーフ。
高さがあり、且つ横に長いタージマハルを覆うためのルーフです。
ここは立地的に作業スペースが少なく、また上の10メートル四方のルーフ施工時と同様に既に砂像用の型枠が設置されています。
そのため、ルーフ全体を細かな部品に分けて、限られた空きスペースで少しずつ組んでいくことにしました。
左の中段はラフ図面。
当初の予定では、ほぼ等間隔に脚が入る予定だったのですが、途中から図面の様に仕様変更することになりました。
結果、写真下段の様に梁部材の太さを変更することによって強度を確保・仕様変更に対応しています。
これに限らず、数度に渡る仕様変更にも関わらず、その都度事細かに対応して頂いた長谷川工業さんにも、感謝感謝。
完成間近のタージマハル用ルーフ。
このあと、脚部のターポリン及び雨どいの施工が終われば完成という状態です。
こう一枚絵で見ると大した大きさに見えませんね・・・。
余談ですが、梁を取り付けた時点でルーフと下の砂像用型枠とのクリアランスは20cm程度・・・
無事に組み上がって、正直ほっとしました。
上は、今回施工した中で最も大きいメインスペース用ルーフを組み上げている途中の写真。
広さは幅27×奥行き25メートル。
テニスコート2面分がすっぽり入って余る位の広さがあります。
完成したタージマハル用ルーフと、メインスペース用ルーフを横から眺める。
やっぱり一枚絵にしてしまうと、意外と小さく感じますね・・・。
でも、実物は結構な大きさがあるんですよ。
興味のある方は、是非会場まで足を運んでみて下さい。
あ、もちろんメインは砂像ですからね。
ルーフはあくまでもオマケとしてご覧頂けましたら。
今回のルーフ施工に於いて最大の問題点だったのが、風対策です。
会場の立地柄、年間を通じて強風が吹く恐れがあり、それに対する十分な対策を講じる必要が有りました。
具体的には脚部及びルーフの周囲にボイド管に因るコンクリートウェイトを埋め込み、それに対してアンカーワイヤーを引張するようにしてあります。(写真上段)
また、スペース的にウェイトを埋め込む余地が無い場所には、ダックビル(写真中段)を併用するなどして、十分な強度を確保しています。
また、全てのルーフ用シート(横幕等を除く)は、従来使用している2類ターポリンに比べて数倍の強度を持った物を使用。
長期間・複数年の使用に十分耐えうるものとなっています。